2009年11月06日

セラピナ三回忌

セラとの別れからまだ三年

投稿者 aozora : 10:35 | コメント (0) | トラックバック

2008年01月16日

報告

残された者への優しい物語を 残された者自ら利益を確信し意図的に引用する人間を軽蔑する。
そして、虹の橋を例えお悔やみを受けるのも好きではない。

自分の至らなさを何度も何度も悔やみ、復唱する。
それでも生きていると時間が癒してくれる。
恐ろしいことに、生きとし生ける者に良くも悪くも時間は平等に針を刻み、全てに霞をかけてくれる。
それが、何十年かかろうとも。

昨年11月6日、セラは苦しみから解放され、個体や固体としてのセラピナは、わたしの前から姿を消した。

生きているうちが全てだと思う。
生きていることが大切なんだと思う。

だから、生きているうちに固体であるうちに、自分にできる全てを与えたいと思う。

だから、自分を慰めるために言い訳がましく、残されたもののための物語に涙することをわたしは好まない。


セラを応援してくださった方々に深く深く感謝の言葉を申し上げます。
ずっとUPできずにいた、UPし損ねていたセラについてのエントリーですが、思うところがあって今更ながらですが、今日の日付でUPしました。

投稿者 aozora : 14:07 | コメント (1) | トラックバック

敬愛する者

07/11/05 夜

その時がもうすぐやって来ることを感じながら、外に出る。
ガソリンの臭いが鼻をつく。
アスファルト臭い秋雨も、今更ながら東京らしい気がした。

商店街のレンガ通りを踏みしめながら、漂うように自販機へ辿り着く。

高い高い空の上で、わたしを待つ子がまた1人増えていくことを ぼんやりと、そして強烈に思い知らされながら、自販機のおつりを左手でつかみ取る。

救いようの無い感情は、冷たい秋雨に打ちひしがれても、決して、流されることも消し去られることも無い。
途方に暮れたいこの現実を 救ってくれるものは、何も無い。

それでも、ただただこの雨に打たれたかった。
何も考えられないよう
何も感じないよう
何も見えないよう
気が遠くなるまで
冷たい雨に打たれたかった。

この夜を この雨を 忘れることのできないないわたしの時間が始まろうとしていることを感じながら、セラのもとへ急いで戻った。

わたしがその時を迎えるまで待っている子達。
待たせている子達。
一人一人増えていく。

セラの姿が消えて1週間。
姿ある者達に急かされ、わたしの日常はあっという間に過ぎて行く。
遠く旅立ったたった一人の子を思い、自分にゆっくりゆっくり言い聞かせる時間は、わたしには与えられない。
そんな時間を持てる人を羨んだこともあった。
しかし、急かされる日常は、生きていかなければならないわたしにとっては、何よりもの恵みなのかもしれない。
最近は、そう思えるようになってきた。
そう思うようにしている。
その子だけを思って、それでも生きるそんな強さが、多分わたしには備わっていないのだから。
息苦しい穏やかな日常を淡々とこなしていかなければならない。

ただ、生きているうちに充分な思いをかけてあげられなかったことを悔やむ代わりに、少しだけその子だけのことを思う時間が欲しい気持ちもなかなか拭い去れない。
ここに書き記す時間だけが、唯一その子のことだけを思ってあげられる時間だったりする。

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セラ。
くろちゃんには逢えたかな。
くろちゃんは、そっちでもさくらを追いかけているのかな。
セラ、もう1度会いたいけど、早く会いたいけど、こっちの子達を放って会いにはいけないから、もう少し待っててね。
こっちで仲良くなれた時間が短すぎたから、わたしが行くまで待っててね。
セラがセラでなくなってこっちに来ても、今は一緒に暮らせないから、わたしが行くまで待っててね。
そして、もう1度抱っこさせてね。
グルーミングしてあげるから。
猫パンチしてもいいから・・・


07/09/02

投稿者 aozora : 00:59 | コメント (0) | トラックバック

セラ…セラピナ

涙の数だけ強くなって、幸せに近づくと信じて、様々なことを克服してきたつもりだが、目の前の現実はいつもとりとめも無く残酷で、凍りつくように冷たい。

今日は、セラの初七日。
2007/11/06AM8:15.セラの一生が終幕の時を迎えた。
終幕というのが相応しい、波乱に満ち、そして戦い続けた一生だったように思う。
いつもいつも誇り高く、猫らしい猫だった。
良くも悪くも女らしく、気高く。
わたしは、セラを誇りに思う。

多分、猫にこんな気持ちを抱いたのは初めてのような気がする。
いとおしかったり、自慢だったり、溺愛もする。
しかし、生きていた事実だけで、こんなに誇りを感じさせる猫はいなかったような気がしている。


セラの一途な恋も知っている。
その恋の相手の態度も、素行もみんな知っている。
そして、相手が突如いなくなった時のセラの姿もずっと見てきた。


セラの恋は、サザンのTUNAMIのような恋だった。
そして、セラの一生もわたしとセラの関係もこの詩とだぶって仕方ない。


風に戸惑う弱気な僕
通りすがるあの日のかげ
本当は見た目以上
涙もろい過去がある

止めど流るさやか水よ
消せど燃ゆる魔性の火よ
あんなに好きなひとに
出逢う夏は二度とない

人は誰も愛求めて 闇にさまようさだめ
そして風まかせ Oh,My destiny
涙枯れるまで

見つめ合うと素直にお喋り出来ない
津波のような侘しさに
I know … おびえてる ,Hoo…
めぐり逢えたときから魔法が解けない
鏡のような夢の中で
思い出はいつの日も雨


夢が終わり目ざめる時
深い闇に夜明けが来る
本当は見た目以上
打たれ強い僕がいる


泣き出しそうな空眺めて 波に漂うカモメ
きっと世は情け Oh,Sweet memory
旅立ちを胸に

人は涙見せずに大人になれない
ガラスのような恋だとは
I konw … 気づいている ,Hoo…
身も心も愛しいひとしか見えない
張り裂けそうな胸の奥で
悲しみに耐えるのは何故


見つめ合うと素直にお喋り出来ない
津波のような侘しさに
I konw … おびえてる ,Hoo…
めぐり逢えたときから死ぬまで好きと言って
鏡のような夢の中で
微笑をくれたのは誰

好きなのに泣いたのは何故
思い出はいつの日も…雨

TUNAMI/サザンオールスターズ 作詞:桑田 佳祐作曲:桑田 佳祐より

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投稿者 aozora : 00:58 | コメント (0) | トラックバック

2007年10月12日

今日この頃

先週末から、人間が2人ともダウン。
孔祐達の病院もキャンセル(ーー;)
ようやく今日からどうにか復帰。

コットンは先月24日に、掛かりつけの病院へ。
この子は、ひまや智に比べると体力がないことが気になっていた。
それと、暑さにものすごく弱いので、そのことも診察してもらった。
血液検査とレントゲン。
特別異常はなかったが、今月念のためにもう1度通院する。
遊び盛り始めの時期にずっと病院のケージ暮らしだったことが、多少影響しているのだろうか。

空の後ろ足も診てもらおうと思っていたが、先にコットンを捕まえてしまったので、警戒して捕まえ損ねた。
コットンと一緒に次回診察予定。

セラは、がんばっている。
セラの戦いを嗅覚、視覚、聴覚。
全身全霊でひしひし感じている。

今までも多くの子達の最後の時を共にしてきたが、今回ほど受け止めがたい日々はなかったような気がしている。

それでも生きようと、病魔を克服しようとしているセラ。
潔いというのを通り越し天晴れである。

奈奈さんの言葉を借りれば「ニンゲンなんてかなわない」
その通りだ。


投稿者 aozora : 11:32 | コメント (2) | トラックバック

2007年09月03日

凜・セラ

9/2凜・セラ通院。

凜、歯石除去後初定期健診。
ほぼ安定した値。

セラ、鼻の腫れが1ヶ月前に比べ倍。

腫瘍が鼻骨の一部を覆い溶解させている。
進行具合、レントゲン結果などからも、やはり悪性と診断。
もう1度、麻酔を覚悟でCT、,MRI、粘膜採取、培養などを検討するつもりで先生に相談。
しかし年齢も鑑み、検査後の抗癌治療・抗癌剤のリスク、効果などを考えると、セラのためには薦めないとのこと。
腫瘍摘出手術についても相談。
手術のリスク、効果、術後のケア、傷口のリスクなどを詳しく説明してもらう。
どれを検討しても、セラにとってはリスクだけが圧し掛かり、効果が全く期待できない。

アガリーペット(サメ軟骨入)、豚の胸腺、抗生剤を引き続き服用。
前回の目薬を異様に嫌がることを告げる。
インターフェロン入りの目薬より、沁みるのではと質問。
そのようなタイプのものではないということ。
できれば、引き続き点眼。インターフェロン入りの目薬と点け比べて様子を見ることに。

それでも、セラは思いっきりがんばっている。
痛いだろうに結構平気な顔しているので、余計に不憫。
今以上のことを何もしてあげられないのが苦しい。
腫瘍を切除してあげられないのが、本当に答える。
痛みが腫瘍の大きさで表れているのかと思うと、やりきれない。
でも、ケセラセラのセラなので、わたしがへこんでどうすると踏ん張るのが精一杯。

治療について、もっと事細かに書くことで役立ててもらえることもあると思うのだが、セラを思うことだけでいっぱいいっぱいで、冷静に書き留めて置く余裕も気力も湧かない。

投稿者 aozora : 21:55 | コメント (0) | トラックバック

2007年08月22日

セラピナ・凜

8/19セラ診察、凜歯石除去のため入院。

凜の入院予約があったので、閉院時間間近に。
とはいっても、セラの診察もあるので、6時頃着くように出かけた。
今日は、道も平常。タクシーの運転手さんもテキパキした人で、30分くらいで到着。

2年前腎不全と診断され、定期的に検査をしている。
今はずっと落ち着いているので、1ヶ月に1度の定期健診で済んでいる。

しかし、今月始めくらいからご飯を食べる時、少し顔を傾け食べづらそうな仕草を時々していた。
凜は、これまで何回も歯石を除去してもらている。
幼い頃から、マキシガードを使ったり歯磨きをしたが、他の子より歯石がつきやすいタイプの子だった。
その上、歯磨きでさえ、ちょっとやると歯茎から血を出すタイプなので、自宅でのケアはなかなか難しかった。
強酸性水のほうが凜には効いていたようだ。
強酸性水を使用している時は、わたしにでも固まった歯石が鉗子でパリッと剥がれた。

しかし、腎不全と診断されてからは使用を止めた。
何となく、少しでも腎臓に負担をかけたくないという丸っきりの素人判断なのだが、両端の口角から1敵づつ点すだけでも、凜にとっては不愉快。ストレス。
なので、腎臓第一ということで止めた。

9日の定期検査時、血液検査の値がまあまあだったので、今なら麻酔も大丈夫とのことで、今回の予約をとった。
夏休みホテルの子達でいっぱいだったので、ちょっと時間が空いて今日の予約となった。
凜は調子が良いので、予定通り入院。

前回、拓哉がいつもに比べ麻酔が覚めづらく、手術の次の日もボーっとしていたこともあったので、拓より2歳年上で腎不全の凜は、大事を取って術後1日多く入院する予定。

ここの院長は、外科的手腕も見事なのだが、だからなのか医療機器にもかなりのこだわりを持っている。
今までも、機器が新規導入になると必ず嬉しそうに話してくれた(~_~;)
ずいぶん昔だが、強酸性水は、わたしが新聞でアトピーに効くという記事を読んで先生に色々伺った。
もちろん、妹のためではなく猫のため。
しばらくすると、高級な業務用の機器が導入された(笑)。
当時100万と聞いたような。
ちなみに家庭用は20万。買うなら、仕入れ価格で取ってあげるよと仰っていただいたが、置き場が無かったので断念。
後にアトピーだけではなく、口内の洗浄にも効き目があるよと薦められ、口内にも使用するようになった。
当時は、毎週のように通院していたので、その都度ボトル1〜2本を購入していた。

そもそも病院の医療機器にわたしが関心を持ち始めたのは、凜と涼の歯石除去始めて行おうとを思った時。
当時友人は、勉強させてくださいと多くの病院で無料奉仕をしていた。
学生の時から、彼女はこんなことを続けていたのだが、その彼女に、研磨器がある病院が少ないと聞いた。
なので、歯石除去する際、研磨器があるかどうか尋ねるようにと言われた。
すかさず、院長に尋ねると”もちろんあるよっ!”

現在の院長の自慢?は、麻酔器と人工呼吸器と呼吸ガスモニター、心電モニター、電気メス。
麻酔器、人工呼吸器、麻酔モニターは、いずれもオメダ製だそうだ。
麻酔モニターは、麻酔中の呼吸の状態:吸気と呼気の酸素濃度、二酸化炭素濃度、麻酔ガスの濃度、末梢の酸素飽和濃度、気道内圧、呼吸回数が一目で確認できるということ。
もちろん拓哉も凜もこれら自慢の機器を使っていただいて、留置針を入れてもらい、モニターをつけながらのことになるのだが、やはり全身麻酔。
高齢、腎不全の凜は、余計に慎重に慎重を重ねてとなる。

今回ついでに、3mix-mp法のことも尋ねてみた。
研究、勉強熱心な院長なので、良いと判断されることは次々に導入する先生なのだ。
人間の医療のことでも、新聞、ニュースで耳にすると、動物にはどうかと何かにつけ尋ねてしまう。
3mix-mp法については関心を示されたが、歯のつくり(構造?)が人間とは違うということ。
確か、エナメル質と象牙質?だったかな・・・(最近、物忘れが激しいので、確実なことはまた確認します)。
なので、3mix-mp法が人間ほどの効果が無いかもということだった。

ついでに補足しておくと、わたしも最近になって知ったのだが、人間のように猫の虫歯を治療してくれる病院が少ないということ。
うちの子達は昔からここの病院で歯石除去をお願いしていたので、その際、虫歯があると(もちろん、虫歯の進行具合にもよるが)治療しておいたからね!と、いう具合だった。
なので、ごくごく当たり前のことだと思っていたのだが、今回そのことを院長に話すと、微笑みながら
「そう?」と仰った。
「本当はね、治療した後、人間ほどではなくてももうちょっと続けて治療できればいいんだけどね。でも、猫の場合は、全身麻酔だからねぇ〜(-_-;)」
でも、夏香、JIJIなどは、治療していただいた虫歯が亡くなるまで進行しなかった。
そのことを告げると、院長はまたニコッと丹精な顔で微笑んだ。

全くのわたしだけの考えだが、外科的な技術には器用さが欠かせないと思っている。
外科手腕が優れていると、同じ手術を行うにも麻酔時間が少なくて済む。
ということは、麻酔の量も少なくてよい=身体への負担が軽い。

器用かどうか一番簡単に見分ける方法として、採血を重要視ししている(これも、わたしの個人的な考えだが)。
それは、大人しい子かどうかということ、固体の大きさに関係なくだ。
これまで多くの色んな病院にかかってみて、血液検査一つでこんなに違うものかと実感している。
よく、小さいから血検が可哀想と聞くが、どうして?と思っていた時期もあった。
小さいからという理由で血検ができないなんて、論外だと思っている。
マウス系の小動物は、検査もしないで麻酔手術してしまうっていうことになる。

さて、21日帰宅予定だった凜だが、20日の夕方、約束の時間に電話を入れると、もうお迎えで大丈夫とのこと。
幸い凜は虫歯も無かったため、すぐ覚醒する麻酔を使ってくださったからだ。
ただし、留置針を外していないという。
うちのお嬢様は、かなりご立腹のご様子(ーー;)

そう言えば、2回目の歯石除去の時、わたしたちが病院を去ると手がつけられない状態になり、病院から連絡が入ったことがあったのだ。
それなので、妹が病院へ出向き付き添って麻酔をかけてもらった。
普段は、全く大人しく診察をされる凜なのだが、わたしたちが付き添っている時に限る。

幼い頃、色んな病院で見捨てられた時、ある大学病院の教授に誉められたこともあった凜なのだが・・・
こんなに治療を嫌がり怒って暴れて抵抗するにも拘らず、引っ掻いたり噛み付いたりを全くしない。
なんていい子だ。珍しい。こんな子初めてだと。
ただし、わたしが付き添っていた。

3回目の歯石除去の時は、前もって麻酔時に病院へ出向いた。
その後は、付き添って手術ということは無かった。
もちろん、入院治療だけの場合は、手をつけられないほどのご立腹は無い。
同じ入院でも、凜には、麻酔=手術がわかるらしい。
多分、会話を理解していると思う。
凜は、賢い子なのだ。その分、頑固で、意固地で、意志強固だが。

涼が一緒に入院すると、また様子が違う。
同じケージにいなくても、気配でわかるので、多分安心するのだろう。

入院だけでなく、友人宅に預けた時もそうだった。
涼は、天真爛漫な子だったので、ひょこひょこマイペースで行動するのだが、凜は、二匹専用に部屋を用意してもらっても、タンスの裏から決して出てこなかった。
わたしが、迎えに行くとにゃぁ〜と即座にタンスの裏から駆け寄ってきた。
それを見た友人が、凜ちゃんは、○○ちゃん(わたしの愛称)の子って感じだね。と言った。
十数年前の何気ない一言だったが、今でも鮮明に覚えている。
その時の凜の表情も。
何とも言えず嬉しくて、得意な気持ちだった。
いまだにこの時のことを思い出すと、靴が鳴るほど心が弾む。

さて、今回も留置針を外せないわけではないが、少しでもストレスをかけないようにとの病院の配慮で、お迎えに行ってから外すことにしてくださったのだ。
妹が、病院のドアを開けた途端に凜の唸り声が、地響きのように共鳴していたらしい。
妹の「こんにちは〜」と、同時に「凜」と、入院室にも聞こえるように呼びかけると(診察時間過ぎていたので、患者さんはいなかった)、その瞬間から「うにゃぁ〜」と、変貌する凜。
病院中で笑われた。


セラ

セラは、前回より腫れがひどくなっていた。
特に左目寄りが腫れている。
そのため、左目が涙目になっている。
前回同様2.8kg。
今までに何度か生死をさ迷ったことのあるセラだが、その時は2kgを切ることもあった。
その後は、3kgくらいをずっとキープ。
ただ、両耳とも全く聞こえていない。
これは、もうちょっと前からだ。
今回のことと関係なく、加齢によるものとのこと。

血液検査では、内臓関係は年齢の割りに全てが良好な値で、何も問題は無い。
まず、腫瘍の検査だが、CTかMRI。
鍼灸治療をしていただいている病院で、数年前うーちゃんに受けさせようかどうかということがあったので、この施設のことは知っていた。
価格もびっくり価格なのだが(人間が保険適用外で受けるPET検査の料金より、高かった(T_T))、なんせ全身麻酔。
もちろん、かかりつけの病院の先生が付き添って連れて行ってくださるのだが・・・
ただ、先生の見立てでは悪性腫瘍。
そうすると、高齢のセラに全身麻酔をかけての検査が、果たして今後の治療にどこまで役立つか。
そもそも治癒確率の低い抗癌治療をセラに受けさせることが、果たしてセラのためになるのか・・・

鼻の粘膜をとって簡単に検査してもらったが、真菌はみつからず。
なので、肝臓の負担も心配だし、むやみに真菌の薬の投与は避ける。
もっと丹念な検査も、培養検査ももちろんあるのだが、これも全身麻酔。
麻酔をかけずにガリガリやる先生もいらっしゃるらしいのだが、それはそれは悲痛だそうだ。

ということで、第一段階の投薬から、第2段階の投薬治療へ。

それと、免疫UPのサプリも、アガリーペット〔(サメの軟骨入り)顆粒〕とサメの軟骨(粉末)だけのものと、サンプルで豚の胸腺(粉末)をいただいていた。
セラは、ごはんにこれらのものを混ぜると食べない。
うちの子達は、この手の騙しが利かない子が多いので困る。
しかしセラは、サメの軟骨は進んで舐めてくれ、豚の胸腺も水に溶けやすいので、サメの軟骨と混ぜて与えると抵抗無く舐めた。

アガリーペットも発売当初、ちゃんやさくらに試したが、ことごとく拒否された記憶しかない。
それに、当時のものは水にも溶けなかった。
効果があると自分に言い聞かせ与えていたが、即効性のない、まして薬でないものを抵抗する子達に無理やり与えるのは辛かった。

風ちゃんには、発芽霊芝も与えた。
あらゆる最先端医療に見放された友人の子供が、これによって奇跡の復活を遂げた。
(5年以上が経過しているが、今は普通の子と何ら変わり無い生活を送っており、有名進学校で彼女なんかがいたりして、青春を謳歌している。)
彼を生まれた時から見ていて、友人とその子の二人三脚の戦いも間近で見聞きしていたわたしは、友人に頼んで分けてもらった。
その発芽霊芝は、ある1ヶ所の人間の病院でしか手に入れることが出来なかったからだ。
人間の量で1ヶ月分10万だったが、猫はもっと少量なので、そんな値段にはならないが高価なものだった。
しかし、飲ませる時期も手遅れだったのだと今は思うが、風ちゃんには合わなかったのかもしれないとも思っている。
弱りきって、最後の力を振り絞って抵抗する風ちゃんに、これ飲まないと死んじゃうんだよと言い聞かせ、亡くなる前日まで、泣きながら、無理やり服用させていた。

自分の体験からも思うことだが、免疫力UPのサプリは、個体によって効く効かないがはっきりするものだと思う。
好む物、抵抗無く(味や飲みやすさではない)飲める物が、結局効き目を表すような気がしている。
わたしの場合、23匹を目の前に突きつけられた時、ストレスによる全身湿疹に見舞われた。
狂い死にしそうな痒みで、もちろん何ヶ所もの病院へも行き、飲み薬、塗り薬、精神安定剤も服用したが、一向に完治しなかった。
一番手っ取り早いのは、ストレスの原因である23匹の猫達から手をひくことだと言う病院もあった。
それが出来るくらいなら、こんな湿疹作ったりしないっ!と、思うと余計イライラが募った。
そんな時、偶然TV(確かTVKだったと思うが)で、免疫ミルクというものを紹介していた。
乳製品好きのわたしは、直感で早速購入。
TVでは、使っている病院の紹介とか、ガンも治癒した人もいるとやっていた。
まぁ、普通に見るとインチキ臭い。
しかし、その時のわたしは、これだと思った。
この免疫ミルクを飲みだし、2週間で湿疹は消えた。
しかし、猫は、23匹から32匹だったことが判明した(T_T)

今のわたしの1番の免疫力UP物は、青梅の梅酢。
梅干も梅酒も梅に関するものは全て大嫌いなのだが、やはりTVを見ていて青梅から作る梅酢に釘付けになり、毎年母に頼んで作ってもらっている。
梅々した香りが無いので、抵抗無く飲んでいる。

漢方も昔から調合してもらい、体質改善をしたり、その時の体調に合わせて処方していただき、わたしにとっては常備薬なのだが、桂皮だけは受け付けない。
桂皮とは、シナモン、ニッキなどだ。
なので、八ツ橋やシナモンロール、シナモンティーも昔から嫌いだった。
こんなものが口に入ると、蕁麻疹が出てしまう。
丁子(クローブ)も受け付けない。
どんなに美味しいウィスキーをだされても、クローブなんか入れられた日にゃ、下戸に変身してしまう。
と、いったように、先天的に受け付けないものがある。
訳も無く、わからないけど嫌いな物というのは、本能で拒否しているのだと思う。
わたしの体は、受け付けませんよと。

なので、現代の猫といえども、人間より多少本能が発達している動物は、もっと敏感なような気がする。
風ちゃん以来、サプリに関しては無理やり与えないことにしている。

効力は様々だが、猫達に割合受け付けてもらい易かったものは、マクロップ、イムラックなどの免疫ミルク類。
免疫ミルクは、初乳を濃縮したものなのだが、普通のミルクの成分ラクトフェリンの他にグロブリンGが入っている。この点が気に入っている。乳糖があるので、その辺は気をつけて与えないといけないのだが。

保護直後の子を預かっていただく時や神経質な子を迎えていただく時、与えられる子には免疫ミルクを持参させていた時期もあった。
特に環境に馴れ始めた頃、体調を壊すことが多いと思っていたので、1ヶ月くらいの投与をお願いしていた。その時期を越えると、すんなり体調維持できることが多い。

対外は投与してくださるが、投与させていただけなかった子に限って体調を崩し、投薬が必要になった。そんな子に限って、投薬が困難な状態にあり困った。

最近は、ビムロンが使いやすいと思っている。
数年前に奈奈さんに教えていただいてから、うちには常時置いている。
無味無臭で、量も本当に微量(猫なら1回に2.5mgくらい)ですむため、騙しの利かないうちの子達でも、ごはんに混ぜ抵抗無く食べる。
原液(粉末)では、2.5mgという量を量るのに苦労するのだが。
しかし、天然ヒトインターフェロンα経口投与剤のビムロンは、注射のインターフェロンなどと違い、残留や副作用もないので重宝している。

一番注意したいのは、サプリは、万能薬ではないという点。
それに、免疫ミルクにしろ、アガリクスにしろ、胡散臭いものもたくさん出回っているということ。
特に動物用となると、余計怪しい。
まぁ、病院で扱っていても全面的に信用は出来ないが、それを言い出したら何も与えられない。
結局、信用できる病院で扱っている物を信用することにしている。
もちろん、少しでも疑問があることは、率直に伝える。
そうすると、先生も率直に意見を聞かせてくださる。
なので、動物用のサプリ系は、医療機関で扱っているもの以外は購入しない。
だが、信用できる人の薦めてくれるものは別。
もちろん、そういう人は実体験に基づいて薦めてくれる。

セラにもビムロンをずっと与えていたが、今年に入って会社の子達に追われ、うちの子達のことにわたしの目が行き届いていなかった。セラにビムロンを与えない日々が続いた。
気がついた時には、全く投与していなかった。
そんなこんなで、気がついたら取り返しのつかないことに・・・

話は随分脱線したが、どうせ風ちゃん達みたいに舐めないだろうと思い、試しに6日分だけ処方してもらったアガリーペットサメ軟骨入りだが、以前より多少水に溶けやすくなっていた。
それに、これもセラは抵抗無く舐めてくれる。
偉いぞ!!セラ。
セラは、生きる気満々。
わたしが、へこんでいる場合ではない。

なので、次回は、アガリクスが混ざっていても抵抗無いのなら、アガリーペットのサメ軟骨入りももう少し処方してもらおうと思っている。
ただし、セラは尿路結石を患ったことがある。
ストルバイト結石。
1度は、あまりにも結石が大きくなっていたので、処方食では追いつかず開腹手術までした。
その後、尿路結石も膀胱炎も再発していないが、マグネシウム、カルシウムといったものが多そうなサメの軟骨にもちょっと不安があった。
院長に率直にその心配を伝えると、大丈夫だと思うけど、念のため、次回尿検査をしましょうということになった。

おなかも少し緩かったので、便も持参していた。
しかし、細菌などは出ていなかった。
ストレスは?と聞かれたが、マイペースなセラにあまり変わったことはない。
空もコットンにも気づいているのかどうかも怪しいくらいだ。
あるとすれば、腫瘍からのストレス。
常備薬の下痢止めがまだあることを伝えると、それを服用させてということだった。

こんな感じで、また少し様子を見ることとなった。

本人は、相変わらず食欲もあり、マイペースで生活しているが、鼻の腫れが見ていて辛い。
診察台の上では、無理やり補ていをされなければ、いたってリラックス。
以前は、ちぐらに入っているところをタオルケットで茶巾にし、無理やり搬送していたセラ。
今のセラとは、全くの別猫。
当時は、今のセラを想像すらできなかった。というより、想像することさえ眼中に無かった。
今では放っておくと、診察台の上で壁に寄りかかって毛づくろいまでしている。
院長先生にも、貫禄だねぇ〜と笑われる今のセラ。

セラは、グルーミングをしてもらうのが大好き!
以前は、世話好きのJIJIの前に頭を突き出し、舐めてくださいという毎日だった。
しかし、今、セラをグルーミングしてくれる子はいない。
なので、わたしに頭を突き出す。
そうでなくても猫だらけ毛だらけ生活なので、内心、肺に毛が蓄積しているのではないかと不安なのだが、セラが望むので、唇を閉じ、極力毛が口入らないように注意しながら、セラの要望に応える日々である。

投稿者 aozora : 17:50 | コメント (0) | トラックバック

2007年08月09日

セラ

セラピナことセラ。
名前は、小学生の時読んだ童話の"へんなねこのセラピナ"から命名した。
今月始め、おなかを壊し、1日何も食べなかった。
どこの病院へ連れて行こうか獣医の友人に相談した。

17,8歳になるので近いところがいいのだが、しばらく健康診断をしていない。
なので、遠くても1番のかかりつけに連れて行ったほうがいいのか迷っていた。
もちろん、この暑さだし、具合が悪いのだからタクシーを利用するが、夏休み。
道が混んでる予感。
1時間もかかったら、セラも辛いだろうと思った。
なんせ、つい最近まで強敵だった子なので、いつも寝込みを襲い拉致するように病院へというパターンだった。
セラのかかったことのある病院は3ヶ所。
ケースバイケースで病院を選んでいた。

もともとおなかを壊しやすい子なのだが、猫部屋にいた頃も、エアコンの真下で女の子とは思えない腹出し姿の大股開きで爆睡。
人間が世話をしに行っても、気づかず寝入っていたこともある。
これじゃ、おなかを壊すよ。

そんな話を電話で延々としていたら、わたしの横に寄り添って寝ていたセラが、おもむろに起き、いきなりごはんを食べ始めた。
ひと安心。

脱水が多少あることを友人に伝えると、念のため輸液をしたほうが良いと言われたが、なんせついこの前まで触れなかった子。
この2ヶ月くらいで急激にわたしに懐いたが、輸液がきっかけで、また触れない子になってしまわないかと心配だった。
すると、水も飲みだした。
わたしの気持ちを察するかのようなセラが、とてもいとおしかった。

セラを注意深く観察していると、普通の生活に戻っていた。
でも、念のため、病院で処方してもらっている常備薬の一つである漢方系の下痢止めを飲ませ、ここは取り合えず一晩様子を見ることにした。
その後、まったく異常が無かったセラ。


しかし、一昨日くらいに鼻筋が腫れているような気がした。
セラは、数年前から慢性鼻気管炎になっていた。
でもこんな子なので、思うように投薬もできない。
目薬はもちろん、抗生剤なども騙し騙し与えていたが、気がつくと薬が吐き出してあることもしばしば。
本当に頑固で、意固地で、その上馬鹿じゃないので、手強い相手だった。
結局、慢性化してしまった。

なので、鼻腔炎か蓄膿症にでもなってしまったのかと思った。
またここで、病院選びに迷いすかさず友人に電話。
友人が、腫れは柔らかいのか硬いのかと聞くが、嫌々して触らせてくれないセラ。

結局、6月に巻き爪でお世話になった近い病院でとりあえず診察を受けることに。

すると、思いもかけない診断結果。
腫瘍、またはアスペルギルスのどちらかだということだった。
目の前が真っ暗に・・・

取り合えず5日分の薬を処方していただき、帰途に着く。
処方された消炎剤にちょっと疑問もあったので、早速友人に電話。
友人も気にしていてくれ、わたしの電話を待っていてくれた。
友人の強烈な薦めもあって、次の日掛かりつけの遠い病院へ。

しかし、予想通り道はすごい混雑。
おまけに久々に道を知らないドライバー。
その上、混雑とは別にチンタラ運転。
セラのことが気が気でないわたしは、かなり苛着いていた。
結局1時間もかかってしまった。

病院に到着。
やはり、この病院へ着き院長の顔をみると落ち着く。
信頼を置いて止まない病院。
友人の奨めで、輝時が始めてお世話になってから17年。
幾つもの大学病院も含めた病院で見放された幼子の凜も、こちらで命を救ってもらった。
その後も何十匹の子達がお世話になったか知れない。
他の病院で見放された知り合いの子達も院長に救ってもらい、長寿を全うした。
病院のカルテ棚何十軒分も うち1軒で占有している。

しかし、セラの診断は、昨日の病院と同じ。
年齢のことも考えてくださり、やはり様子を見ることに。
抗生剤と昨日の病院とは違うタイプの消炎剤を処方される。
それと、インターフェロン入りの目薬。
これは常備薬の一つなので、3本いただいて来た。

セラがわたしにべたつくようになって、一瞬一瞬がいとおし時間。
どうして、こんなにいとおしくかけがえの無い時間のように思うのだろう・・・ふと良からぬことも頭を過ぎったが、そんなことはないと一笑に付した2ヶ月前の瞬間を思い出した。

ミーティアちゃんとの1秒1秒がいとおしいと言っていた
ひなさんの優しく儚げな笑顔を思い出した。

そんなことを虚ろに思いながら、鬱陶しい嫌な暑さの暗闇の中、家路に向かった。

投稿者 aozora : 22:09 | コメント (0) | トラックバック

2007年07月07日

「きじとらお」とうちの中の子(15+1)達

何から手をつけたらいいのか、何から報告すべきか、あれから、それから・・・
あれもやらなきゃ、これも・・それよりこっちから・・メールも返事を・・あっ、その前にこっちのメールから。
悦司がこっちの病院で、凜と拓がこっちで、ガッちゃんがあっちで・・・
そう思っているうちに時間だけが瞬く間に過ぎていく。。。

でも、めでたいことなので、まずは親バカ報告!!

今日は、拓哉の13回目の誕生日!!
先週のにゃんドックでは、まあまあ。
明日、1泊して歯石を取る。

拓哉は、幼い頃、腎、肝の値が悪く数年に亘り通院治療していた。
腎臓の値は、正常値になったが、肝臓の値は、普通の子より高めなことが多く、定期健診は欠かせなかった。
今回の健康診断でも、正常値よりは高めだが、拓哉としてはまあまあ。
それと、拓哉は、流れる水飲み派なのだが、それも人間が水道に手を沿え、他の子を近寄せず、拓哉に集中して、一対一で見守って飲むという面倒な流水飲料派。
最近、その水飲み時間が長く、回数も増えたような気がしていた。
年齢も年齢なので、腎臓も心配だったが、異常なし♪
ただ、肛門腺がつまり気味だったので絞っていただいた。
肛門腺絞りは、犬より必要のない猫だが、年齢とともに自然には出づらくなるという。
他のシニア組も要注意だ。
しかし、わたしは肛門腺絞りが下手!んーーー困った。


ガッちゃん、まだまだ思わしくない。
ガッちゃんのことは、別エントリーで。


きじとらお。
病院に約2週間預かっていただいていた。
当初は、今月2日に我家へガッちゃんを迎え入れるはずだった。
病院のほうも患者さんが多く、わたしのわがままで入院室を3個も占領しているのは申し訳ないので、猫に対して、フレンドリーで攻撃性のないガッちゃんなら、隔離部屋を用意できない大所帯の我が家に放り込んでも大丈夫だろうと思ったからだ。

しかし、お迎え当日、ガッちゃんがの様子が激変した。
なので、不安でいっぱいだったが、4日からきじとらおを我が家に迎え入れた。
きじとらおは、その日のうちに食事をし(大食い、しかも外生活の時と違い、メニューに注文が多く、わがままを言う)トイレも使用。

ただ、大きな声でよく喋る。
起きていると喋る。
人間ではなく、うちの子達に向かってだ。
そして、午前2時くらいから7時くらいまで、大声で叫んでいる。
それも、よく通る声でーー;
人間がいくら相手をしても、叫ぶのを止めない・・・
そのおかげで、妹は寝不足も手伝い、喘息を起こしている。

初めて出会った時は、ひと撫でできたが、時間が経つに連れ用心深くなっていた。
しかし、外ではわたしに向かって、1度もシャーッといったことも手を出そうとしたこともなかった。
病院では、リラックスして、それなりに悠々とし、温厚な子ですと仰っていただいていた。
しかし、ケージから脱走しようと隙を狙うようなこともあったらしい。

我が家到着後、キャリーから出し、きじとらお専用に作った隠れ場へ移動させた時、一応わたしにシャーを1回。
きじとらお対策で、更に強化した二重網戸を手でコショコショ1回。
網戸の開け閉めの時、ベランダを気にする様子時々。

わたしや妹を怖がり、一応警戒している。

1日目黙って引篭もる。
2日目、日中洗濯機裏に篭る。
夜泣き始まる。
おやつ、またたびを何度も催促。
とりけずり、燻製ソフトササミジャーキーがいたくお気に召した様。
ごはんにも注文多く、選り好み甚だしい。
智と一緒に猫じゃらに興ずるが、ふと我に返り、わたしに怯える。
人差し指を差し出すと、本人不覚にも猫の習性でつい鼻先を寄せてしまう。
3日目。
おいしいごはんちょうだいと大声で叫ぶ。。
寂しいと泣く。
1日中喋っている。
夜泣きというか、明け方叫びというか甚だしい。
鶏肉、なまりをわたしの手から食べる。
そして、七夕の今日。
わたしより一足早く妹がひと撫で。凄く悔しい・・・
多分得意になっているだろう妹に密かに闘志を燃やしている。

病院でトラちゃんと呼ばれていたきじとらお。
我が家では、基本的に同じ名前は付けないようにしている。
同じ名前を使うのは、その子の思い出を奥底に格納してしまうような気分になり抵抗があるため。
以前トラという名前の子がいた。
そこで、トラと母音が同じ「空」と呼ぶことに決めた妹。
わたし的には、もうちょっと考えたい気もあったが、「きじとらお」は、思いもかけずあちこちで爆笑をかっていたようなので、取りあえず「そら」と呼ぶよう心がけた。

空は、うちの子達に圧倒され、いじめっ子だった面影はみせていないが、寂しん坊のようで、仲間に入りたいようだ。
しかし、猫を選んでいる。


今回、空を迎えるにあたって大活躍の智Pなのだが、空は、ちびっこかぁと人間なら舌打ちする風で、相手にしない。
智の行為を無にする態度。


どうも大きい男の子に気に入られ、我が家でのポジションを確保しようと画策している模様。
1番のターゲットは、悦司のようだ。
しかし、今のところ空振り。


#悦司
確かにエッ君は、我が家で中心的な男の子だ。
いざという時には、身を呈してわたしのことも守ろうとしてくれる。
実際に、そんなことが依然あった。
気は優しくて力持ちだ。
そして、温厚。
みんなから一番頼りにされ、信頼もされている。
それに、嫌なことでも、頼りにされたり、懐かれたりすると断れないタイプ。
空は、エッ君のそんな存在感?オーラ?を逸早く感じ取ったのだろう。
ただそこは大人の男「空」。
エッ君にベタッと寄って行きたいのだが、中々そうもいかず。
エッ君も、どんなに少なく見積もっても今年で13歳以上。
大柄なため(エッ君を始めて見て驚かない人がいないほど骨格が大きい)、足への負担もあり、鍼治療へも通っている身。
なるべく、面倒なことには関わりたくなく、静かに暮らしていたい年頃。
なので、空が近寄ってきたそうにしていても 気づかない振りでスタスタ交わしている。
そんな雰囲気を察して、ますますエッ君にベタつくことのできない空。


#拓哉
我が家の2代巨頭。
拓哉も今年の7月で13歳になった。
400gの時に出会ったので、年齢は間違いない。
大黒柱風の貫禄はないが、エッ君とは違った雰囲気で、みんなに好かれ、認められている。
タッ君が、ゴロゴロ言い出すと、眠っている子も起き出し、傍によって来る。
そして、みんなリラックス。
タッ君のゴロゴロは、幸せのゴロゴロと我が家では呼んでいる。
拓哉も基本的に温厚で、猫・人見知りもしない子だ。
ちょっと前までは、新入りが来ると、始めのうちだけシャーと威嚇するところがあったが、智を入れた頃からそんなこともなくなった。
基本的にお姉ちゃん猫達に無条件で甘やかされ、妹猫達にも甘やかされ?わたしにも甘やかされて育った子なので、わたしを取られまいと威嚇しているのが見え見えだった。
しかし、どんなことをしても新人は逗留し、わたしに甘える時間争奪は激しくなるが、自分のポジションも基本的には変わらないしと、可哀想だが半ば悟りの境地、諦めの境地にも達しているのであろう。
そんなタッ君が、あまりにも寂しげに泣くので、空に近寄り、スリッとしてあげた。
しかし、空。
もはやターゲットは、エッ君。
エッ君が無理なら、お姉ちゃん猫達(特に夢衣、海空)といった様子で、タッ君の行為を無にする。
その後もタッ君。何回も様子を見に空に近づきウリッとしてあげるが、空、泣き止まず。
それでも淋しげな空を放っとけないようで、拓は一緒に遊ぼうよと、大いにはしゃいで、空を誘う素振りを見せる。
13歳の拓が、全速力で家中を走り回るのは、最近では珍しいことだ。
しかし、マイペースに泣きつづける空。
その代わりといっては何だが、智、シュー、ゴンが、タッ君につられ大はしゃぎとなった。


#ゴン
3代巨頭になりつつある?密かに目指しているゴン(本人は、濁音系のこの名前が気に入っていない^^;)。
ゴンは、しずくとうーちゃんを預かってもらっている友人が、猫ボラの横暴から救い出した子。
当初は、手のつけられないシャーフーで、手も出し、口も出し、怖いを通り越しおっかないというのがピッタリの子だった。
でも、本当はものすごーーーーく甘えん坊で、仲間思いで、今では、わたしへのストーカー行為が甚だしい。
最初の手のつけられない様子は、人間の酷い仕打ちのせいだった。
そんなゴンは、うちへ来て3年近くなろうとしているが、昨年の8月まで猫部屋として借りていたアパートにいた。
昨年、猫部屋を引き払い、猫部屋にいた子達をこちらに移動させる時、臆病なシューゾー、触れない佳祐を無理やり捕まえようとしたら、もうすでにデレデレの甘えん坊だったにも拘わらず、恐怖に逃げ惑い、叫ぶ2匹に加勢し、最初は唸って威嚇した。
それでも、引越しに必死なわたしたちは、強引に2匹を捕まえた。
すると、ゴンは、わたしたちを引っかき唸った。
それでも手を緩めないわたし達に、 最後は手足かまわず噛み付き引っかき唸って脅した。
その形相たるや凄まじい迫力で、あまりのゴンの攻撃に2匹捕獲を一旦諦めた。
すると、ものの3分もしないうちに甘えん坊に戻ったゴン。
仲間を恐怖にしらしめなければ、それでいいんだよといった風にケロッとしていた。
トトロを彷彿させた初めての子だった。

そんなゴンなので、空を入れるにあたり期待もしたが、一番心配もした。
極端な態度で空を迎えると思っていたのだ。
フレンドリーに接するか、もしくは、徹底的にやっつける。
どちらかと言えば、いじめっ子だった空を牽制すると思っていた。
新人嫌いでへなちょこの智、ひまわり、崇(カッシー)が唸って、売られた喧嘩を空が買い、正義感の強い仲間思いのゴンが、智達に加勢し収集が付かなくなったらどうしようと思っていた。
考えてみれば、ひまと智は先にここでわたし達と暮らし始めていたので、ゴンより後からうちに来たのは、やっちゃん(元みーみーさん)だけで、それもやっちゃんはあどけない盛りの子猫だった。
なので、成猫の男の子を隔離もせずに大勢の中に突然入れるのは、いちかばちかで、それが空のような喧嘩に意欲をみせていた子。
本当に、開き直りの境地、否、やけくそで迎え入れたのだった。

しかし、全く予想に反して、ゴンは空を完全無視。
ただ、微妙な距離を保ちつつ、眼差しは厳しく空を威圧している。
ゴンの決心が垣間見れるような目力。
お姉ちゃん(わたしーー;のこと)を取られるもんか。
エッ君に続く、統制力2番目のポジション譲るもんか!!
本当は、エッ君にだって負けないんだ。
おまえは、僕の下につくんだ。
小政。否、おまえは石松だ。ふふーん!

空もゴンのただならぬ威圧感は、感じ取っているようだ。
ゴンには、あえて近づこうとせず、目も合わせないようにしている。
そして、ゴンの動向を一番気にしていながら、気づかない振りをしているように見受けられる。


#崇(カッシー)
カッシーは、本来の弱い者だけ虐めのへなちょこさが前面に出て、をもちろん気にしているが、年下であってもちょっと強そうな空に警戒して近づかない。
恐る恐る遠巻きに様子をうかがっている。


#智智は、予想に反してとっても良い子で、ほんの始めだけシャーと言ったが、空のあまりにも寂しげな声にお鼻ツンツンで挨拶し、遊ぼうよと誘ってあげている。
またたびも一緒に舐め、ねこじゃらでも一緒に遊んであげる智なのに、空は、ちびっこ完全無視主義らしい。


#ひまわり
ひまは、予想通り、近づきもしないのに遠くから唸り飛ばし、不機嫌さ全開で、性格の悪い女の本性丸出し。
空の存在が気に入らないため、誰彼構わず因縁をつけてあるっている。
一番の被害者は、いつも智。
八つ当たりの矛先は、特に智に集中する。
むやみに殴られ、訳もわからず唸られ、それでもひまがいないと生きていけない体質の智は、ひまお姉ちゃんのご機嫌を取ろうとする。
すると、ひまは、それが余計に気に入らず、ますます手荒く智を足蹴にする。
今日のひまは、仲間に溶け込めない空をだんだんなめているようで、わざわざ近づい行って悪態をついている。


#もも
「もも」も同様。
だいたい、こんなことをひまに教えているのは全てもも。
まぁ、もともと本質的に女の勝手さわがままさを全開にするタイプの二人だが、悪いことのお手本、根源発祥はもも。


#凜
空を迎え入れるにあたって、もう一つの心配が15歳の凜。
神経質なところもあり、年齢的にも穏やかな日々を望んで止まない子。
約3年前に腎不全と診断され、現在は白内障も発症している。
腎臓のほうは、降圧剤効果が顕著で、ずっと調子が良い。
なので、今は1ヵ月に1度の検診で済んでいる。
腎臓優先にしましょうということになり、目の治療は、ストレスを考え、効果もあまり期待されないので、点眼はしていない。

凜は、新入りにうんざりしている。
今まで、どんな子を入れても、うちの子達がまとまったのは、凜と涼の手腕によるものだ。
男の子と違い、腕力だけで押さえ込むようなことはしない。
知恵と優しさとおおらかさ。
そして、正義感から滲み出る頼り甲斐。凜とした正当な強さ。
血縁の無い兄弟を束ねるには、このような要素がないとできないことだ。
要となる女の子は、これらの要素を持ち合わせている。
わたしの知る限り、大所帯でまとまっている家は、みな女の子が主軸となっている。
そして、次郎長に仕える大政のような男の子がいる。

しかし、涼が旅立ち、年を重ねるごとに凜は長から退きたいような様子を見せていた。
面倒だという態度が多くなり、無関心を装うことが多くなっていた。
しかし、やはり一目置かれている。
それも、面倒なようだ。
そのせいか、場を読めないお馬鹿佳祐が、凜を調子に乗って嚇かすようなことをする。
それだけでも、凜にとっては多大なストレスなのに、この上、空まで佳祐に便乗するようなお馬鹿だったら目も当てられないと思っていた。
妹は、凜の寿命が縮むと猛反対だった。

しかし、空に対して、いつも通り、殊更関心もないが、怖がりもしない。
ひと安心。


#シューゾー・青海(あみ)・佳祐
猫に対してフレンドリーで、人見知りの強いシューゾー、青海、佳祐。
シュー、青海は、最初無関心だが、そこそこ仲良くしようねという風だった。
しかし、ひま、ももがあまりにもフーシャーで、荒くれ者と化したため、空を避けるようになってしまった。
空が来てから、14匹みんながわたし達と同じ部屋で眠るようになったため、人間怖いで一人取り残され気味の佳祐もあえて空を無視している感じだ。


#夢衣(ゆい)・海空(みく)
どちらかというと新人いびりのお局様だった夢衣と海空も、今回は無関心を貫き通している。
いびりは、若手のももとひまに譲った模様。


#孔祐(こうすけ)
悦司とは違った我家一番の巨大児孔祐。
佳とは双子だが、孔は、心優しく、控えめで、遠慮がちな子。
人間に対しても最初だけ人見知りするが、もの凄く甘えん坊で、かまって星人。
ブラッシングや撫でてもらうのが、ご飯より好き。
しかし、何故か巨大児。

佳は、ただ一人、わたし達が怖くて、人間中心に群がっている14匹の円に入れず、寂しくなると大声で泣く。
すると、孔はどんなに楽しい場でもスタスタスタと佳の元へ駆け寄る。
そして、佳をグルーミングしてあげる。
他の子達に対しても、温厚で、優しいが、初対面の子には、体の大きさだけで怖がられ、いつも傷つき、哀しい思いをしている。
そんな、孔祐なので、空の声に反応し、近寄り、優しい眼差しで見守っていてあげたが、空は、孔祐を完全無視。
孔祐の体の大きさにびびる様子もないが、ひたすら孔祐の姿、眼中に無しといった感じだ。


#セラピナ
我家最年長で、出会って15年。
室内に入れ、12年。
一緒に暮らして、10ヶ月。
17〜8歳のセラ。
わたしの猫との暮らしの中で、最大最悪。横暴で乱暴で気の強かった、最強の本名セラピナ。
こんな凶暴、頑固な猫は、かつて出会ったことがなかった。
しかし、猫にはフレンドリーで甘えん坊だった。
猫部屋に長いこと居たので、人間嫌いのセラにとっては、気ままな中々の生活だったと思う。
元の飼い主が、餌やりを放棄し、知り合ってご飯をあげ始め2年。
捕獲開始から毎日通い、半年がかりで、やっと保護した。
保護してからも大変な子で、自殺行為とも言えるような断食をしたセラ。
獣医である友人の怯まず猫の命に立ち向かう毅然とした行為がなければ、セラは今ここにいないだろう。
その彼女も呆れるくらい頑固に人間には懐かない子だった。
しかし、何度かの入院生活では、獣医さん達に媚を売って、別猫と化していた。
まさに、猫被りで、悪知恵というか、小賢しいというか、そんな手段を充分心得ている雌猫と称される代表みたいな子だ。
それが、先月、室内生活12年。一緒に暮らして10ヶ月経ち、やっとというか、いきなりベタベタな子になった。
わたしの傍から離れることのない子になった。
最も、年齢的に寝ている時間が長いので、厳密に言うと、わたしにくっついていつも寝ている。ということなのだが。
わたしに懐くと、人見知りも全くしなくなった。
先日、わたしのPC環境の設定にわざわざやって来てくださった大原夫妻にも、ちゃっかり抱っこされていた。
大原ご夫妻には、可愛い子だと絶賛された。
セラ、長生きしてよかったねと、心底思った。

ちなみに、智は、チャシーより乱暴者で、こんなお馬鹿は見たことがない。と、こちらも絶賛された(笑)
うちでは、多少暴れん坊だが、子猫(1歳)は、こんなものだろうという見解だった。
もっと凶悪なひまもいるし・・・
どうも、うちの猫感は、世間一般とズレがあるようだ。

それはさて置き、人間も怖くなくなり、耳も聞こえなくなっているので、余計怖いもの知らずになっている猫好きのセラはというと、今までよりよりマイペース。
自分のことしか頭にない。
なので、空とすれ違っても空が新入りであることにも気づかないようだ。
空にお尻の匂いを嗅がれても、空の目の前で、澄ましてトイレに入っていた。


#ふく
そして、オオトリは、亀のふく。
空は、亀に逢ったことが無いようで、この物体はなんですか?生き物ですか?動いてます。怖いです。と、目をまん丸にして固まっていた。
ふくは、ここのところわがままに拍車がかかり、わたしに対しては乱暴だ。

投稿者 aozora : 23:57 | コメント (0) | トラックバック